認知症でよくトラブルになりがちなのがお金の管理です。

気づいたら、同じものを買い続けてしまったり
お金がないのに、とても高価なものを買ってしまうこともあり
トラブル、問題が家庭内で収まればまだしも
他の方を巻き込んでしまうと、すこし大変ですよね。

今回は認知症の方のお金の管理、計算処理能力についてお話します。


お金の管理がなんでできなくなるの?

認知症の方は計算能力、計算(情報)処理能力が低下しがちです。

これは記憶障害とも関連しており
数字を覚えて、別の数字をさらに覚えて、そこから計算する、という一連の動作ができなくなってしまいます。

例えば、100から7ひく時、100、という数字を頭の中で覚える必要があります。

特に記憶障害がない私たちであれば、たいしたことはないですが
認知症の方であると、短期記憶能力、即時記憶能力(瞬間的になにかを覚える能力)が低下してしまい
計算能力が低下してしまいます。

そのため、お金の管理が難しくなり、買い物をする際
お金がないにも関わらず、高価なものを買ってしまったり
逆に、お金があるのに、安いものを買い、お金がない!と言い、お金を出すのを拒むケースがあります。

余談ですが、認知症の方はなにかを管理する、という能力がどうしても低下してしまいます。

記憶する能力だけなく、判断力なども低下していまい
薬の管理も難しくなってしまう場合もあります。

服薬管理は場合によっては、薬をたくさん飲んで、命に関わる場合もあるので
もしご家族で認知症の方をサポートしている方がいて
金銭管理が難しくなってきたかな?
と思ったら、薬の管理、服薬状況についても注意してくださいね。


どんな対策をすればいいの?

具体的にどんな対策をすればいいのでしょうか?


①こまめにメモを取る

買い物に行く際、

・財布には3000円がある、3000円以上のものは買えない
・値札を見て物を買う、10000円以上は買えない
・値段が300円、400円など数字が3桁のものは買える


というようにメモを持ち、買い物をしましょう。

財布にいくらはいっているのか、わからずに買い物をし
いざ会計のときにお金が足りない

という場面もよくあります。

そのため、財布や見えやすいところに現在の所持金などをメモしておくことで
トラブルを回避できることがあります。


②1人で買い物に行かない、行かない

1人で買い物をするのが好き、という方もいますが
できたら、ご家族やヘルパー、別の方と一緒に買い物をすることで
お金の管理ができます。

その際、最初から最後まで全て、手助けをしたり、口を出してしまう
認知症の方も窮屈さを感じてしまい、ストレスを感じてしまいます。

なにか問題になりそうな場面や、すこし危ない場面だけ
すこしだけ助言をしたり、トラブルが起きたときに早めに別の人が対応することで
大ごとにならずにスムーズに買い物を行うことができます。

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③お店の人と仲良くなる、お店の人に予め説明しておく

認知症に限らず、高齢者の方は
比較的、馴染みのあるお店、いきつけのお店によく行く傾向があります。

その際、店員さんと仲良くなったり、
予めお店の人に”金銭管理が上手にいかないときがあるからその時は手助けをしてください“というような話をしておくことで
サポートする側も、お店側も注意して買い物をすることができます。

すこし敷居が高く感じる方もいますが
認知症の診断書、障害者手帳等を見せて事情を説明すれば
お店側も納得して対応してくれることも多いです。

トラブルがあってからでは遅いので
なるべく早めに事情を説明をして、問題がおきないようにしましょう。


計算問題、計算ドリルって効果があるの?

よく計算ドリルや計算問題が認知症に効果があると聞きます。

今回のように、お金の管理、計算処理能力が低下した方に
計算問題は効果があるのでしょうか?

具体的な効果ですが
計算問題を解くことによって、認知症が改善した、
という論文、研究をまだ私は見たことがないです。

ただ、私が知らないだけで、既にあるのかもしれません。
(後日、このような研究を見つけたら、紹介します(>_<) 個人的な意見としては、計算問題は 脳の頭頂連合野や前頭前野の能力を使うといわれているので 計算ドリル等を通してこれらの脳の部分を活動的にすることができると思います。

また、計算問題をする際には、鉛筆、ペンを持って、手を使います

頭だけなく、手を使うことは脳に良い刺激を与えるので
計算問題を長い期間に渡って取り組むことは
脳に良い影響を与える、と個人的に思います。

ちなみに、私の職場でも患者さんに計算ドリルを渡して
一緒に計算問題を取り組むことがあります。

日中、寝てばかりの患者さんや認知症の方も多く
生活リズム、睡眠リズムを整える意味でも計算ドリルを通して
なんとか改善させようと取り組むことが多いですね。
(実際に生活リズムが改善した患者さんもいます)

なにもしないより、したほうが効果があるとは思いますので
ぜひ取り組んでみてはどうでしょうか?



さて、今回は認知症の方のお金の管理、計算能力について紹介しました。

お金のトラブルは普段の私たちの生活の中でもありますが
認知症の方は無意識にトラブルをおこしてしまう場合が多いです。

トラブル、問題を未然に防ぐことは大切ですが
あまり気を使いすぎて、サポートする側も認知症の方も
窮屈になってしまうのも良くないのですね。

認知症の家族に買い物はさせない!という方もいるようですが
生活範囲を狭くするのはやはり相手にも負担、ストレスを与えてしまうので
できないところ、問題を起こしてしまいそうなところはサポートし、
できるところは、気にかける、注意するぐらいの心構えが大切ですね。