認知症の方をご家族でサポート、介護する中で
よく困ること、悩む場面としては

・トイレの失敗、尿失禁、便失禁をしてしまう
・徘徊をする、知らぬ間にどこかに行ってしまう
・暴言、暴力、なにかしようとすると手を振るわれてしまう

などなど、よく相談、話を聞く場面があります。

ただそれ以上に会話にならない、会話がなりたたない!
という話をよく聞きますし
“会話がならない”ということに対して
諦め、当たり前のような気持ちを持っている方もいるのも事実です。

コミュニケーションは私たちが生活する上でなくてはならないですし
生活を豊かにする中で絶対に必要なものですね。

そんな会話、繋がりを放棄してしまうのは
寂しいですし、介護される側、介護する側のストレスにもなります。

会話する中で、認知症の方が何度も同じ話をする
あるいは、話をした直後に、既に話の内容を忘れてしまう
という場面を経験したをあなたはないでしょうか?

そんな時にどんな風に対応していますか?

「この話はついさっきしたよ!」
と、ついきつい言い方で言ったり
「何度その話はしたら気がすむの!」
と、相手を責めてはないですか?

認知症の方も同じ話がしたくて、してる訳ではないですし
ただその話に毎回も対応していると
ストレスが溜まってしまうのも良くないです。

ではどうすれば対応すればいいのでしょうか?

以前、認知症の方を会話という観点で紹介しましたが
今回も同じく会話というテーマで紹介してみようと思います。

今回は“会話と記憶”の関係をちょっと掘り下げてお話してみたいと思います。


同じ話を何度もする!何度も忘れる!

以前、認知症の方との会話、話題について
紹介した記事がありますので、こちらも参考にしてくださいね。

▼認知症の人に話が伝わらない!そんな時のコツとは?

さて、同じ話をされる、というのは
認知症の方と接する時、1度は経験はあるのでは?と思います。

私も認知症の方と接するとき、よく経験しますし
なにか質問をされてその話題について会話した1分後に
また同じことを聞かれる、なんてことはよくあります。

私の場合、時には仕事と割り切っている時もありますが
ご家庭の場合、ストレス、苦痛でならない人も多いかと思います。

なぜ繰り返し同じ話をしてしまうのか
なぜ話をすぐ忘れてしまうのか

認知症は記憶の障害とも言われており
最近の記憶から障害されていきます。

つい1日前が思い出せなくなり、進行してしまうと
ほんの10分前、1分前のことさえ思い出せなくなります。

さらにその思い出せない、ということに”気づくことができない“ことが
認知症という病気だということをまず理解する必要があります。

両足を骨折している人に歩け!なんて言ったら
きっとあなたはひどい人だ!冷たくて残酷な人だ!
と思うかもしれません。

でも、認知症の方と接している際に何度も同じ話をされて
ストレスがたまり、ついには

「この話はさっきしたでしょ!もう何回目なの?」
「もうこの話はしたくないし、あなたと話するのは疲れるわ!

なんて言ってことがあるかもしれません。

記憶の病気、障害であり、記憶を維持するのが難しい病気ですが
さきほどの両足骨折している人に歩け!と言うことと同じくらい
残酷でひどいことを言っていることを理解する必要があります。

そんなことを言われたら、相手もストレスを感じてしまうということを
まずは相手の気持ちになって考えてみましょう。

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ではどうすればいいの?

同じ話を繰り返す場合や会話を忘れてしまう場合には
どうすればいいのでしょうか?

まずやってはいけないことは否定です。

上記で紹介したような

「この話はさっきしたでしょ!何回目なの!」

というような相手の話を遮るような否定や
相手を責めるような発言はNGです。

認知症の方からすると、突然怒られてびっくりしてしまいますし
なによりストレスを感じてしまいます。

このストレスは認知症を進行させてしまう要因にもなるので
自分の発言、1つ1つが悪化させてしまうリスクになりうるということを
念頭において会話することが大切です。

良い返答としては
共感とオウム返しです。

以前、こちらの記事でも紹介しましたが
相手の話に共感するような発言、オウム返しは
相手に思考、考えを促すきっかけににもなりますので
ぜひ心がけてみてください。

▼認知症との会話における鉄則とは?

簡単に説明すると
共感は相手の話を聞き、それに同意するような返答であり
オウム返しは相手の質問をそのまま質問で返します。

共感の場合

「さっき食べたご飯おいしかったねー」

「そうですね、今日のご飯もおいしかったですねー」

10分後

「さっき食べたご飯おいしかったわ!」

「そうだね、おいしかったわね!明日はなに食べたいかな?」


このように相手の気持ちを肯定するような返答が良いです。

この時、内容だけでなく、口調や言葉の雰囲気も真似して
返答すると良いです。

オウム返しの場合

「今日のご飯はなにかな?」

「んーなんだろうねー、ご飯なんだと思う?」

10分後

「今日のご飯がなにが出てくるんだろう?」

「なんでしょうね、どんなものが出てくるのかな?」


このように質問を質問で返すがオウム返しですね。

私たちの日常生活の中でもそうですが
友達、知人が笑顔で話しかけてきた場合
自然とこちらも笑顔になると思います。

笑顔、とまでいかなくても
決して嫌な気持ちにはなりませんし
和やかな気持ちになりますよね。

認知症の方と接する時も同じです。

できるだけ接する時は“笑顔”で優しい気持ちで接することが大切ですね。

また私がよくやるのですが
言葉のやりとりに、さらにふと体に触れるように接する
相手に安心感を与えることができます。

上記のような質問の場合は些細な質問ですが
中には本人の悩み、不安からくる質問、話を何度もされることがあります。

そんな時にそっと手を肩、背中に添えたり
手を握ったり、握手をしながら、優しい一声をかけると
より相手に安心を与えることができます。

言葉と比べてボディータッチというのは
非常に強力なコミュニケーションなんですね。

ぜひ検討してみてくださいね。




さて、今回は会話と記憶という観点から認知症について紹介しました。

あなたの一言が認知症を進行させてしまうこともありますが
逆に認知症の進行を抑える可能性もあります。

優しい気持ちは優しい雰囲気を生むので
柔らかい気持ちで接しましょう。