認知症の方で幻覚、幻聴が出現し
そのことで悩まされるご家族は多くいらっしゃると思います。

なぜ幻覚が見えたり、幻聴が見えるのか不思議ですよね。

もしあなたが幻覚が見えてる認知症の方と接した時に、本人が

幻覚じゃない、本当に見えてるし会話もできるんだ!

と言ってきてたら、あなたはどうしますか?

なかなか対応も難しいですし
いざこのようなことを言ってきたら、戸惑いますよね。

さて、ここで私の職場での体験談をすこし紹介します。

鈴木さん(仮名)は80歳代のおばあちゃん
ある時、ベッドで私を呼んでいるので駆け寄って話をしました。

私「鈴木さん、どうかしました?」

「いや、日ごろお世話になってからね
丁度、私の母がきたから挨拶しようと思ってね」

私「お母さんがいらっしゃったんですね」

「そうなの、ほら、おっかぁも挨拶してよ」

私「そうなんですね、どうも、こんにちは」

「うちのおっかぁ本当に私の面倒ばかり見てくれるからね
もう私ってドジばっかりだから・・・」

私「いえいえ、そんなことないですよ」


こんなやりとりがありました。

もちろんこの患者さんの部屋には、私以外の誰もいませんし
80歳を超えるこの患者さんに、親がまだご健在とはちょっと考えにくいです。

もしあなたがこんな場面に突然遭遇したら
どう対応しますか?


幻覚、幻聴が見える、聞こえる人にはどうすればいいの?

さて、どのように対応するのが正解なのでしょうか?

このような介護やサポートの現場で一概に”正解”というものはないですが
できるだけ、最善策、最適策を考えて、接していく必要があります。

よくありがちなのが

・「なにも見えないよ、ほら、ここに誰かいるの?」
・「なにか聞こえるって?それは〇〇さんの耳が悪いからだよ」
・「なにも見えないのになに言ってるの、それに〇〇さんは目が悪いでしょ」

と叱ってしまったり、否定しまいがちです。

このようなことを言われてしまった場合、認知症の方の気持ちとしては

・本当に見えてるのになんで信じてくれないんだろう・・・
・この人はなに言っているんだろう、本当に聞こえるのに・・・
・私をからかったり、だましているんだな!

と思ってしまうこともあります。

否定されてしまったり、強く叱られたり、責められてしまうと
気分は不快になりますし、認知症を悪化させてしまう要因となります。

まずはなぜ幻覚が見えているのか、なぜ幻聴が見えているのか
また自分がこれを言ったら、相手はどんな気持ちになるだろうか?
と考えることが大切です。

普段の人間関係でも
この発言を言ったら、相手はどんな思いのするのかな、嫌な気持ちにならないかな
と考えますし、コミュニケーションでは基本的なことですよね。

認知症の方と接する時も同じです。

まずは
①相手を否定しない
ということが大切です。

話をしっかり受け止め、肯定することも大切です。

次に
②不安、悩みをしっかり聴
ということが重要です。

幻覚、幻聴を体験している人の多くは
なにか不安な気持ちを抱えていることが多いです。

・なにか不安なことはありますか?
・今、なにか困っていることはありませんか?

と一言を声をかけるだけでも違いますし
認知症の方の悩みの原因、不安の種を聞き
原因を一緒に考えましょう。

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ただ、この”原因”は解決できないことも多いです。

時には話の内容が支離滅裂になってしまうこともあるので
“一緒に考えるフリ“だけでもいいのです。

一緒に考える、ということが相手の孤独感、不安感を和らげることができるので
相手に話を聞きながら、安心感を与えることに努めましょう。


幻覚、幻聴の原因はなに?

なぜ幻覚、幻聴が見えたり、聞こえたりするのでしょうか?

一つは脳が要因です。

認知症の方は脳が萎縮していることが多いですが
その萎縮が原因で五感になんらかの影響を与えていると考えられています。

視覚や聴覚も低下していることも多いので
これらの視覚、聴覚の低下が幻覚、幻聴を助長しているとも言われています。

認知症にもいろいろなタイプがありますが
レビー小体型認知症といわれる認知症では
より幻覚が出現するので
もし幻覚の訴えが多い場合には病院の医師に診断を受けることをおすすめします。

認知症の方と接する時に自己判断は禁物であり
すこしでも気になることがあったら、すぐに病院で診察してくださいね。

状態によっては薬などで軽減することもあります。
脳神経外科や精神科やもの忘れ外来だけでなく
眼科や耳鼻科に診察してもらうことも重要ですね。

また幻覚、幻聴ですが、環境が変わったときに出現しやすいです。

今まで家で生活していたのに、施設に移って生活環境が変わることや
引越しなどで住む家自体が変わってしまった時に
出現することもあります。

もし認知症の方をご家族でサポートされている方は
環境の変化によって、なにか変わったことがないか、幻覚等が強く現れていないか
チェックすることも大切です。



さて、今回は認知症と幻覚、幻聴についてお話しました。

上記でお話したように、薬で改善するケースもあるので
まずは病院での早めの診断、処置を受けることも大切です。

幻覚を見ているような場面に遭遇した時
びっくりすることもありますが、まずは冷静に落ち着いて対応しましょう。