いろいろな症状が出現する認知症ですが、今回お話しするのは脱衣行為です。

 

突然、お部屋で脱ぎだしたり、あるいは歩いていて立ち止まり、急に服を脱ごうとするなど、脱衣を始めるタイミングは様々です。

 

なぜこんなことをするのでしょうか?


目次
①脱衣行為の原因は?
②脱衣行為に遭遇したときの対処は?
③服を着てくれない!どうすればいいの?
④まとめ

 

 

脱衣行為の原因は?

着ている服を突然脱いでしまう原因はどんなものが考えられるでしょうか。

 

原因としては以下の6つが考えられます。

①気温、体温の変化、暑いため

②体がかゆい

③服のサイズが合わない、苦しさ、窮屈感がある

④トイレに行きたい、失禁、便失禁をした

⑤服を脱いで、どんな服か確認したい

⑥服を認識できなく、身体に触れているもの(服)を確認したい

 

加えて環境変化による混乱状態や、自分がどこにいるのか、自分がなにをすればよいのかわからない、といった認知症による見当識障害などが考えられます。

 

人によって原因が様々ですので、なぜ相手が服を脱ごうとするのか、脱ぎたがるのか、ということを考えながら対応することが大切ですね。

 

脱衣行為に遭遇したときの対処は?

お話しをする前に、私が体験した職場での出来事を簡単にお話しします。

 

Aさんは80歳代のおじいちゃん。
いつも息子さんが面会にきており、息子さんとデイルームで和やかに話していて、家族や友人が来ると笑顔が絶えない患者さんです。

 

ある時、加藤さんのリハビリ中にこんなことがありました。

私「では、今度は長い距離を歩いて足腰を鍛えましょう」

「よし、ちょっと歩いてみようか」

~5分後

「んー、なんかなー、ちょっとなー」

私「どうかしましたか?」

「なんか上手くいかないんだよ」
(そう言って突然立ち止まり服を脱ぎ始める)

私「あら?暑いですか?ここだと他の患者さんもいるので自分の部屋に戻りましょう」

「んなこと言ったって、どうすればいいんだよ!!」
(腕で振り払い、殴られる)

私「痛いですよー!ちょっと待ってくださいね。」
 「看護婦さーん!!」

 

こんなやりとりがありました。

 

力が強い方でしたので、自分一人の力では手に負うことができなく、看護師さんを呼び、一緒に対応する形となりました。

 

さて、もしあなたの介助する人が、目の前で突然、服を脱ぎ始めたらどんな風に声をかけますか?

 

服を脱ぐ、ということに戸惑ってしまい、つい怒鳴ってしまったり、怒ってしまうこともあるかもしれませんが、正しい対応を覚えておくことが大切ですよ(*^^)v

 

具体的な対処としては

①無理に着せない
②場所を移動する
③なぜ脱ぎたがるのか、話を聞く

 

という対応を心がけます。

 

無理に着せる、というのは相手が服を脱ぎたがる、なにかストレスを回避しようとして脱ごうとしているので、無理に着せてしまっては逆効果になります。

 

例えば、私たちであれば、トイレにいって、用を足そうとするとき、ズボンやパンツを脱ぎますよね。

 

そんなとき、誰かに無理やりズボンを着るように邪魔されたら、当然怒りますし、強いストレスが溜まりますよね。

 

また、場所を移動する、というのは、服を脱ごうとした状況にもよりますが、人目が多い場所でしたら、見る人も介護する側も困惑してしまいますよね。

 

・寒いからちょっと別の場所に移動しましょう
・別の場所に行ってすこし一休みしましょう

 

というように声をかけて場所を移動することも重要ですね。

 

服を着てくれない!どうすればいいの?

 

服を脱ごうとするけど、服を着てくれない!という場面もあります。

 

そんなときはどうすればいいのでしょうか?

①服を変える
②部屋の温度を変える
③トイレに一度行く
④別の人が着るように声をかける
⑤時間をおいて着るように促す

 

が対処法として挙げられます。

 

①服を変える

皮膚のトラブルにより服の素材が肌にあっていないということが考えらえます。

 

高齢者の肌は乾燥肌の傾向が強く、また若い人と比べるとかなり脆弱です。

 

些細なひっかきで傷ができてしまったり、出血してしまうこともあります。

 

また服の好みや服の暑さや寒さによって、着衣拒否をすることも考えられます。

 

相手の好みや発汗、顔色、発熱等も確認することも大切ですね。

 

②部屋の温度を変える

部屋が暑いため、着衣拒否をすることがあります。

 

上記で同様、服を変えてみたり、部屋の温度を設定見直してみましょう。

 

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③トイレに一度行く

尿意、便意があり、服を着たがらない、ということがあります。

 

一度、トイレに行き、排尿、排便を促してみると、進んで服を着ることがあります。

 

また排尿、排便というのは、副交感神経が働き、人をリラックスさせる効果があります。

 

そのためトイレに行くことで強い拒否も穏やかになることがあります。

 

④別の人が着るように声をかける

別の人が声をかけることで、拒否なく服を着ることがあります。

 

おむつの拒否や施設拒否、お風呂の拒否等も、同様に介護者を変えることで、対応が変化することがあるので、着衣だけでなく、他の場面でも応用できる対応ですね。

 

⑤時間をおいて着るように促す

何度も服を着せようとすると、拒否のあまり、強い興奮状態となることがあります。

 

そんなときに無理に着せようとするのは逆効果。

 

毛布やタオルなどを羽織らせて、一度、時間をおいてみましょう。

 

まとめ


脱衣の原因は6つ!
①気温、体温の変化、暑いため
②体がかゆい
③服のサイズが合わない、苦しさ、窮屈感がある
④トイレに行きたい、失禁、便失禁をした
⑤服を脱いで、どんな服か確認したい
⑥服を認識できなく、身体に触れているもの(服)を確認したい

 

対応としては以下の3つを考えてみましょう。
①無理に着せない
②場所を移動する
③なぜ脱ぎたがるのか、話を聞く

 

それでも服を着ない場合はこれら5つを考えてみましょう。
①服を変える
②部屋の温度を変える
③トイレに一度行く
④別の人が着るように声をかける
⑤時間をおいて着るように促す

 

大切なのは、なぜ服を着たがらないのか、と相手の気持ちになって考えることが大切です。

 

なぜ着たくないのか、はっきりと伝える人もいれば、頑なに着たくない!嫌だ!としか伝えない方もいらっしゃいます。

 

そんな場面に困惑したときは、無理に着せようとしないで、なんでだろう?と考えてみましょう。